川崎と弁護士、裁判所と裁判管轄

川崎と弁護士

このホームページは「神奈川県弁護士会川崎支部」のホームページですが、弁護士や弁護士会の関係や位置づけについて、よくわからないという方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に説明をしたいと思います(以下は執筆時現在の情報に基づき記載しています)。

弁護士は、必ず、日本弁護士連合会に登録し、その上で“弁護士会”に所属しなければなりません。神奈川県内で弁護士業を行う弁護士は、“神奈川県弁護士会”に所属をすることとなります。

神奈川県弁護士会の中には、川崎、県西(小田原)、横須賀、及び相模原の4つの支部が存在し、そのうち川崎支部は、所属している弁護士数が200人を超える、なかなか多くの弁護士が所属している支部となっています。

川崎支部においては、支部としての委員会も有しており、法律相談だけでなく、市民法律家講座等の各種イベントも開催し、皆様のお役に立てるような活動を行っております。今回の川崎支部独自のホームページからも様々な情報を発信していくとのことですので、お役立ていただければ幸いです。

 

川崎の裁判所と裁判管轄

さて、川崎市内には裁判所があります。横浜地方裁判所川崎支部、横浜家庭裁判所川崎支部、そして川崎簡易裁判所です。これらの裁判所は同じ敷地内にあり、JR川崎駅の東口を出てバスで10分ほどの場所にあります(京浜急行川崎駅からは徒歩で10分ほどです)。

 

 

神奈川県内の裁判所について説明をすると、地方・家庭裁判所については、「本庁」として横浜地方裁判所・横浜家庭裁判所があり、「支部」として相模原支部、横須賀支部、小田原支部、川崎支部の4つがあります。

簡易裁判所については、①横浜簡易裁判所、②神奈川簡易裁判所、③保土ケ谷簡易裁判所、④鎌倉簡易裁判所、⑤藤沢簡易裁判所、⑥相模原簡易裁判所、⑦川崎簡易裁判所、⑧横須賀簡易裁判所、⑨小田原簡易裁判所、⑩平塚簡易裁判所、⑪厚木簡易裁判所といった多くの裁判所が所在しています。

 

それぞれの裁判所には管轄が決められており、例えば民事訴訟を提起する場合には当該管轄裁判所に訴状等の書類を提出することとなります。管轄には、「事物管轄」、「土地管轄」、「合意管轄」というものがあり、以下の通り定められています。

 

民事訴訟における管轄

「事物管轄」…第一審を担当する裁判所が、簡易裁判所か、地方裁判所か。

訴訟物(訴訟上の請求)の価額又は性質によって決まります。基本的には、訴訟物の価額が140万円を超えない請求については簡易裁判所、超える場合には地方裁判所となりますが、例外もあり、例えば不動産に関する訴訟の場合は、訴訟物の価額が140万円以下であっても地方裁判所に提起することが可能です(不動産の明渡請求訴訟、不動産登記に関する訴訟等)。(なお、不動産に関する訴訟における訴訟物の価額の算定の仕方は、固定資産税評価額を2分の1にする等、提起する内容によって異なります。)

 

「土地管轄」…どこの裁判所に提起するか。

原則は、被告の住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所)地を管轄する裁判所の管轄に提起することになります(民事訴訟法4条)。

しかしながら、いくつかの例外が定められており、その場合は当該所在地を管轄する裁判所に提起することも出来ます(民事訴訟法5条等)。すべてを列挙することは出来ませんが、一部を以下に記載します。

(例)・財産権上の訴え…義務履行地

・不法行為に関する訴え…不法行為があった地

・不動産に関する訴え…不動産の所在地

・相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え…相続開始の時における被相続人の普通裁判籍の所在地

 

「合意管轄」…当事者の合意により定められた管轄。

一部例外はありますが、第一審に限り、当事者の合意で、“書面”により管轄裁判所を決めることが出来ます(民事訴訟法11条)。

 

民事訴訟における管轄のまとめ

以上のことから、例えば、交通事故において被害者から加害者に対して140万円を超える請求を訴訟にて行う場合には、加害者の住所地or被害者の住所地or事故発生場所のいずれかを管轄する地方裁判所を選択し、訴状を提出することとなります。

 

以上が簡単な民事訴訟を提起する場合の裁判管轄の説明となりますが、それぞれに例外もありますので、訴訟を提起する場合には内容毎に慎重に判断をして行ってください。

 

 

野口 沙里弁護士

しんゆりファースト法律事務所

〒215-0017

川崎市麻生区王禅寺西5-1-30
フォレスター新百合ヶ丘204

 

注:本コラムの内容は、掲載当時の執筆者の知見に基づくものです。その内容について、神奈川県弁護士会川崎支部は一切の責任を負いません。

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