どこの弁護士に頼んだら良いの?

弁護士に依頼しようと思っても,どこの弁護士に頼めばいいのかわからないことも多いと思います。

特に,ご自身が川崎に住んでいて,遠方の相手とのトラブルが起きたとき,どの地方の弁護士に相談すればいいのかわからないことはよくあると思います。今回のコラムでは,遠方の相手との事件についてお話をしてみたいと思います。

最初に結論をお伝えすると,どこの弁護士に頼むかは自由です。北海道にお住まいの方が沖縄の方とのトラブルを,川崎の弁護士に依頼しても何も問題はありません。

ですが,距離があると不都合が生じる可能性があるため,それぞれのメリットデメリットを,裁判所の管轄と合わせてご説明いたします。

 

1 家や職場から近い弁護士

ご自身とのアクセスが近い弁護士に相談することのメリットは,何より相談に行くのが気軽ですし,依頼した後も打合せがしやすいことが大きな点として挙げられます。

相談や受任後のお話は,電話やメール,さらに,今の時代ならWeb会議を用いて行うこともあります。私も先日,初めて依頼者様とWeb会議による打合せを行いました。

ただ,やはり同じ書類を見ながらどの場所の話をしているのか指し示したり,その場で図式を作ってみたりしながら打合せを行った方が理解はスムーズですし,表情を見ながらお話ができた方が弁護士としても依頼者としても安心感があると思います。

デメリットとしては,裁判所が遠方の場合,旅費日当が掛かる場合があることです。旅費日当が発生するかどうかは,弁護士それぞれによって違いますので,一概にはいえませんが,往復で4時間以上掛かる場合には日当が発生するケースが多いかなとは思います。

 

2 裁判所から近い弁護士

裁判所から近い弁護士のご説明の前に,まず,どこの裁判所が担当をすることになるかという土地管轄について,説明いたします。

遠方の方同士がトラブルになったとき,訴え提起できる裁判所が複数存在する可能性があります。

具体的に説明するために,交通事故の例で説明いたします。

例えば,川崎市にお住まいの方が,ドライブ旅行で静岡市に行っているときに,大阪市の方から追突事故を起こされてしまったとします。

このとき,話合いがうまく行かず,地方裁判所に訴訟をするときに,訴え提起できる裁判所(管轄のある裁判所)はどこでしょうか(金額によっては簡易裁判所が管轄ということもありますが,本コラムでは地方裁判所のみを取り上げています。)。

正解は,訴え提起が可能な裁判所は,相手方の住所地を管轄する大阪地方裁判所,事故が発生した場所を管轄する静岡地方裁判所,そして,損害賠償請求の義務履行地である横浜地方裁判所川崎支部の3つの裁判所です。

今回は交通事故を例に取ったので,事故発生場所というものが出てきましたが,他の事件でも,例えば不動産に関する事件では不動産の所在地であったり,相続に関する事件では被相続人の最後の住所地であったりなど,事案により特有の管轄があります。

他にも,契約上のトラブルになったとき,最初の契約書に裁判所をどこに提起することとするか合意しているケースもあり,そのときはその裁判所でしかできないことになっていたり,調停に関しては,相手方住所地でやらなければならないことになっていたり,色々なルールがあります。

したがいまして,トラブルの相手方が遠方であるからといっても,必ずしも遠方の裁判所になるとはいえません。

さて,本題の,裁判所から近い弁護士に依頼する最大のメリットは,先ほどの裏返しになりますが,当該弁護士にかかる費用が安くなる可能性があるということがあります。他にも,例えば不動産売却が絡むケースで地場の不動産業者に懇意にしている人がいるとか,各裁判所独自の運用を理解しているとか担当裁判官の特徴を知っているとか細かい点でメリットは多くあります。

 

3 まとめ

最初に述べたとおり,どこの弁護士に頼むかは自由です。

遠方の裁判所でも,裁判や調停で,電話会議システムがありますし,IT裁判としてのWeb会議の運用も少しずつ始まっていますので,家や職場から近い弁護士に頼むデメリットも解消しつつあります。

事件がどこの裁判所になるかについては,事案によってもかわってきますので,一度,最初はアクセスがしやすいところで弁護士と相談するのがいいかと思います。遠方の裁判所で訴え提起された事案でも,裁判所の裁量で移送してもらえることもあり得ます。

当ホームページでも,法律相談の予約は受け付けておりますし,神奈川県弁護士会川崎支部所属の弁護士一覧もございます。ホームページのリンクを掲載している弁護士も多数いますので,参照していただければと存じます。

最後に,根も葉もない私の意見を申し上げると,色々なタイプの弁護士がいるなかで相性は人それぞれですし,自分自身の重要な問題を任せるわけですから,会って話してみて信頼できる弁護士に頼むのが一番だと思いますので,距離とか関係ないとは思っています。

 

大川 雄矢 弁護士

川崎パシフィック法律事務所

〒210-0007

川崎市川崎区駅前本町11-1
パシフィックマークス川崎ビル6階

https://kawasakipacific.com/

 

注:本コラムの内容は、掲載当時の執筆者の知見に基づくものです。その内容について、神奈川県弁護士会川崎支部は一切の責任を負いません。

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